今日は、よく使われるイディオムの一つ、「across the board」について解説していきたいと思います。
「across the board」とは、どういう意味なのでしょうか?
直訳すると、「板を横切って」という感じですが、実はこのイディオムは競馬に由来しています。
競馬場には、各レースのオッズや結果を表示する掲示板がありますが、この掲示板のことを英語で「the board」と呼びます。
そして、「across the board」というのは、ある馬に対して、1着、2着、3着のどれでも当たれば配当がもらえるように同じ金額を賭けるという方法を指します。
つまり、「掲示板上の全ての結果に賭ける」ということですね。
イディオム - ACROSS THE BOARD -例文
このイディオムは、その後転じて、「全体的に」「一律に」「すべての分野で」という意味で使われるようになりました。
例えば、
- The company announced an across-the-board pay cut for all employees.(会社は全従業員に対する一律の給与カットを発表した。)
- The new policy will affect everyone across the board.(新しい政策は全体的にみんなに影響を及ぼすだろう。)
- The test scores improved across the board this year.(テストの成績は今年すべての分野で向上した。)
などと使えます。また、「across-the-board」とハイフンでつなげると形容詞としても使えます。
例えば、
- We need an across-the-board reform of the education system.(教育制度の全面的な改革が必要だ。)
- He won an across-the-board victory in the election.(彼は選挙で総勢的な勝利を収めた。)
- She is an across-the-board talent in music and art.(彼女は音楽と芸術のすべての分野で才能がある。)
などと使えます。
以上が、「across the board」の意味と使い方の解説でした。
競馬から生まれたイディオムですが、ビジネスや日常会話でもよく聞く表現ですので、覚えておくと便利ですよ。
イディオム - ACROSS THE BOARD -まとめ
【英語】
ACROSS THE BOARD
【和訳】
全面的に
全体にわたって
一律で
【例文】
例文1
The Stock market has dropped across the board.
(株式市場では全体的に下落となった)
例文2
We need to start cost savings across the board.
(全体的なコスト削減を始めないといけません)
【豆知識と所感】
一部の集団だけでなく、全ての範囲にわたった部分を指します。
企業で言えば、従業員や部門だけでなく、部門を超えたグループ、企業全体の事を指します。
「"board"を跨いで」と英語が分かる人なら想像して意味を理解できる人もいると思います。
全体にわたって影響がある事を指します。
小さい会社なら、最初から "Across the board"もハードルが低いかもしれません。
人数が多かったり、多くの拠点があればなかなかAcrossしない事があるので伝達も大変ですよね。